クモノスバンダイソウ(マキギヌ) Sempervivum arachnoideum 
 クモノスバンダイソウが生育していたのは、集落近くの南向きの崖であった。周辺には樹木がなく、削り残されたような日当たりがよい岩の丘である。土壌はほとんどなく、岩のくぼみなどに点々と生育していた。冷涼な地でありながら、まことに乾燥しやすい立地であった。
 クモノスバンダイソウは、古くから日本にも導入され、園芸植物として日本名を持つことになった。巻絹の別名を持つように蜘蛛の糸を張り巡らせたようなロゼットが特徴である。蜘蛛毛は何の役割があるのであろうかと考えたくなる。昆虫の幼虫による食害対策、雪や霜が直接葉に付かないようにする対策などと考えてみるが、どうなのであろうか。花の直径は2cmほどで、花茎の高さは5〜10cmほど。英名は Cobweb houseleek
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