オボロヅキ Graptopetalum paraguayense ベンケイソウ科 グラプトペタルム属
 オボロヅキは日本に分布しない、北米原産とされる多肉植物。観賞植物としてよく栽培される。園芸品店で「朧月」という名で売られており、時に形や色の異なる品種と思われる物も見かける。
 葉は多肉で倒卵形、長さ5-8cm、幅3-5cm、鋭頭、ネズミ色で少し赤みがかり、両面無毛で、表面に白粉を帯びる。分厚くずしりと重みがあり、茎から非常に取れやすい。数年生長した株は冬頃から花茎を伸ばし、春から初夏にかけて花を咲かせる。
 生長は遅く、強い日射を必要とする。南向きの日当たりの良い場所のものは旺盛に生長するが、北向きや日陰のものは葉が薄っぺらく、やがて枯れてしまうことが多い。乾燥に非常に強く、耐寒性もあり多少霜や雪がかかっても枯れることはない。瀬戸内地方ぐらいの気候であれば冬に幾分勢いが落ちるものの、屋外でも十分生長する。ただし他の植物との競争には弱く、被陰されると枯れてしまう。庭先に植えるのであれば、日当たりの良い南向きの軒下が最適であろう。
画像・文章:太田 謙
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