オボロヅキ Graptopetalum paraguayense (ベンケイソウ科 グラプトペタルム属) |
オボロヅキは葉挿しで容易に増やすことができる。葉は衝撃で簡単に茎から取れ、地面に落ちるとまもなく芽を出し、生長をはじめる。分厚い葉にそれなりの水と栄養分を蓄えているのであろう。しかし古い葉からは再生してこないようである。 最初の数年は葉を密生して美しいが、やがて茎が伸長し、古い葉はしなびたようになり枯れ落ちる。茎は高くなっても 20cm程で、横へ這うように伸長して移動してゆく。地面に接した茎からは容易に発根し、十分に根を張り定着すると、元々の根から茎にかけては枯れてしまう。 オボロヅキはおそらく、露岩の上に生育する植物であり、岩の上を這いまわりながら土壌のたまった窪みを探して広がり、条件がよくなれば花を咲かせ種を蒔くのであろう。山地の崖地や露岩地が本来の生育地であろうか。 |
画像・文章:太田 謙 |