トウカイコモウセンゴケ Drosera tokaiensis (モウセンゴケ科 モウセンゴケ属)
トウカイコモウセンゴケは最近認められた種であり、図鑑にはまだ載っていない。名前の通り、東海地方から近畿地方に分布する。コモウセンゴケと同様に、湿地や水のしみ出る崖などに生育する。常に表水のあるような湿地にも生育するが、乾湿の変動がある場所にも生育する。共通点は、粘土を多く含む堅い土壌の場所であることが多い。このような粘土を多く含む堅い土壌は根を発達させるには不適であるが、表面が乾燥していても、地中から持続的に毛細管現象によってわずかではあるが持続的に水分が供給される。最低限の水分は確保できるが栄養分の少ない立地にこのトウカイコモウセンゴケは生育している。
モウセンゴケのように休眠芽を形成せず、冬季も赤い葉を維持している。葉には腺毛が密生しており、毛の先端には粘液球が付いている。花はピンク色であり、初夏から夏にかけ、次々と小さな花を咲かせる。コモウセンゴケの葉はしゃもじ型であり、葉柄が明瞭ではないが、トウカイコモウセンゴケはモウセンゴケに似た、明瞭な葉柄を持つスプーン型である。葉の色は鮮やかな紅色であることが多いが、日陰に生育している場合には緑色の場合もあり、あまり当てにはならない。