ヨーロッパグリ Castanea sativa (ブナ科 クリ属
 公園の中によく茂った樹木があり、その下に風情のあるベンチが置いてあった。すばらしく横枝の広がった木の樹形に感心しつつと近づいて見た。見ると、クリの花が咲いている。葉も鋸歯が顕著ではあるものの日本のクリにそっくりであった。元は3本の太い枝があり、切り落とされた枝の部分に名盤が打ち付けられており、ヨーロッパグリであった。ヨーロッパグリの画像をサーチしてみると、巨木の画像が出てくる。樹高20〜35mにもなるという。高木ではあるが、今回出会った枝の張った樹形は、仕立てられたものではあろうが、ヨーロッパグリの樹形の1つなのであろう。葉は長さ15〜30cmほど。日本のクリに比べて2倍ほどの大きさであり、鋸歯が明瞭である点は明瞭な違い。原産地はヨーロッパ南東部から小アジアであるとのこと。

 クリは講義の中で比較的よく引き合いに出す樹木である。おいしいし、栄養価も高いし、一度植えておけば長期間にわたって収穫できるし・・・・・食料として優れている。ヨーロッパでもクリが広く栽培された歴史があり、現在もマロンとして親しまれている。ローマ時代などでは重要な食料であり、栽培された歴史を持っている。日本でも青森県の縄文遺跡、三内丸山遺跡では多数のクリの殻などが出土しており、集落の周辺にはクリの林があったことがわかっており、DNA分析などからクリは選抜されており、栽培状態であったことが知られている。日本でもヨーロッパでもクリは農業の発達に先立って、栽培されていたことになる。クリは美味ではあるものの、穀物生産などに比べて手間隙はあまり掛からないかもしれないが生産性は低く、広大な面積のクリ林があっても十分な生産量を確保することはできなかったと考えられる。
種名一覧科名一覧雑学事典目次Top