カシワ  Quercus dentata Thunb. ex Murray  (ブナ科 コナラ属
 カシワは北海道から九州にまで広く分布する落葉の高木である。東北地方などでは日本海側の海岸沿いに多く、中国地方では脊梁山脈地帯の尾根筋などに生育している。太い枝と丈夫な葉を付け、強風にも強い抵抗性を示す。中国地方では牧場の周辺、谷筋等にも点々と生育しており、牧草地の火入れなどにも強いのであろう。
 柏(カシワ)は縄文時代の土器(蒸し器)の底に敷いてご飯などを蒸すのに利用したという。餅を包んで柏餅を作るのにも利用する。

 カシワだけではないが、この仲間は冬に葉を落とさない傾向が高い。特にカシワは葉を落としにくく、冬でも枯れ葉をまとって、冬の寒さを堪え忍んでいるように見える。この傾向は小さな個体・下の方の枝で目立つ。コナラやアベマキなどでも、小さいときには葉が枯れても落とさないことがある。小さい間はできるだけ葉を落とさず、下生えの植物に対して光を与えないように妨害していると考えると面白い。
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