カシワ  Quercus dentata Thunb. ex Murray  (ブナ科 コナラ属
 カシワの大木には出会いにくい。荒戸山の山頂で大きなカシワに出会ったので、アップしておこう。直径は30cmから35cm、樹高は12mほどであった。頂芽はまだすっきりと伸び上がっており、まだ高くなるつもりのようである。周辺の樹木の上方生長にともなって、一緒に伸び上がっているように見える。若木では冬でも葉を付けているが、この木も下枝には葉が残っている。上の方になるにつれ枯れ葉は少なくなり、梢ではほとんど葉は付いておらず、太い茎・大きな芽が目立つ。
 カシワは樹皮が厚く、火災に強い。火入れにより維持されてる牧野などでは、谷沿いなどで生き残っているのがよく見られる。しかし、大木でもそれほどは樹皮が厚いという印象はない。樹皮そのものが燃えにくい性質なのかもしれない。カシワは牧野の谷沿いなどの他、荒戸山や蒜山のような山頂・尾根筋などにも群生が見られる。海岸にも生育が見られ、これらの共通した環境は風衝地である。風衝地での生育は、この太い枝と風に強い丈夫な葉によるものであろう。
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