ウラジロガシ Quercus salicina (ブナ科 コナラ属 常緑カシ類
ウラジロガシウラジロガシの頂芽

 ウラジロガシは宮城・新潟県以西の本州、四国・九州・沖縄、朝鮮・台湾に分布する常緑のカシ。カシ類は材の性質や色で名前を付けられていることが多いが、本種の名前は葉の裏が白いことに由来する。その意味では、葉の裏が白いことがよく目立つことを意味していよう。

 生育立地は岩峰など、露岩が見られる場所であることが多く、谷筋の急傾斜地などにも見られる。斜面上部の露岩地では、根元は板根状となってしっかりと根を張っているのに出会うこともある。そのような性質はオキナワウラジロガシにも共通している。海抜400m程度よりも高い地域で分布が見られることが多い。幹比重は大きく、硬くて有用材である。

ウラジロガシの葉(表面)ウラジロガシの葉(裏面)熱すると蝋が溶けて緑になる

 葉はやや薄く、周辺が波打っていることは特徴の1つ。鋸歯は鋭く、葉の先端は長く尾状に伸びる。葉の裏面の白さは、ライターなどで加熱すると溶けて緑色になるので、毛によるものではなく、分泌されたロウ質の粉によるものであると考えられる。ただ、まったく毛がないわけではなく、拡大してみるとわずかに毛が散生している。

ウラジロガシの葉の変異

 葉の形と裏の白さにはある程度の幅があり、イメージとしては上から2枚目をスタンダードとしたい。日当たりの良い場所の元気な葉はしっかりして厚みを感じるが、多くの場合は常緑樫類の中では薄さを感じる。鋸歯が鋭いこと、葉の先端が尾状に長く伸びること、葉が薄いこと、葉の裏面が白いこと、冬芽が細くて尖っていること、葉が古くなると裏面に黒い点ができること(おそらく菌類による病斑)などが特徴であろう。
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