ベニバナトチノキ Aesculus ×carnea (トチノキ科 トチノキ属) |
高松市の街路樹、トチノキの仲間が目立つ赤い花を咲かせていた。トチノキは暖温帯上部から冷温帯下部にかけての比較的冷涼な地域での生育が中心であり、高松市のような瀬戸内海気候の温暖・乾燥の地での街路樹としては奇異な感じもしたが、成長は良好であった。名札にはベニバナトチノキとの記載があったが、植栽されているトチノキの仲間には変異があり、いくつかの系統が混植されているようであった。 ベニバナトチノキはセイヨウトチノキ(マロニエ) A. hippocastanum と アメリカの東部沿岸に生育する A. pavia との交配種であり、ドイツで作出されたとされている。A. pavia は低木であり、赤色の花を咲かせる。セイヨウトチノキは樹高30mにもなる高木であり、ヨーロッパでは街路樹としてよく植栽されている。花は黄色から赤色の斑点がある白色の花を咲かせる。ベニバナトチノキは両者の性質を受け継ぎ、樹高9m程度になり、温暖な地域でも比較的よく成育する品種である。 |
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