ウジルカンダ  Mucuna macrocarpa L. (マメ科 トビカズラ属
 ウジルカンダは、九州から南西諸島に分布する大型のマメ植物で、亜熱帯から熱帯の林縁に生える常緑のつる植物。葉は小葉3枚からなる。沖縄で森の中を散策していると、樹冠部から垂れ下がる長いツルが南国の雰囲気を味あわせてくれる。「ターザンがぶら下がっているのはきっとこれに違いない!」 と思いぶら下がってみると、茎が朽ちていてあっけなく切れてしまうことが多いので注意していただきたい。花期は3〜5月で、花は樹冠から垂れ下がり、長さ30ほどになる。夕暮れ後に花を観察していると、時折花に訪れたオキナワオオコウモリに出くわし心臓が止まりそうになる。なるほど、文献を調べてみるとオオコウモリが花蜜を求めて訪れるとの報告がある(Toyama et al. 2012)。鼻炎のせいか私にはあまり花の匂いは感じられなかったが、オオコウモリにはしっかり花の匂いが届いているようだ。

 参考文献:Toyama C., Kobayashi S., Denda T., Nakamoto A. & Izawa M. (2012) Feeding behavior of the orii's flying-fox, Pteropus dasymallus inopinatus, on Mucuna macrocarpa and related explosive opening of petals, on Okinawajima island in the ryukyu archipelago, Japan. Mammal Study 37: 205-212.
樹冠から垂れ下がる花
葉の表葉の表

1.ウジルカンダ 2. 
文章・画像:山尾 僚
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