ケナフ Hibiscus cannabinus (アオイ科 フヨウ属
 ケナフはシュートアサとも呼ばれたアフリカ西部原産の一年草。生長が旺盛であり、高さ4〜5m、根本直径が10cmにもなることがあるという。従来から繊維を採取するために栽培されてきた。この生長の旺盛さを見込まれ、二酸化炭素の固定や有機物資源としての利用が検討され、一部では製品化されている。学校教育などでも環境教育の一環として取り上げられることもあり、各地の学校などでも栽培されている。

 葉は大きく、長い葉柄があって成葉では7つに掌状に分かれる。花は美しく、トロロアオイほどの大きさはないが、よく似ており、果実もよく似ている。ケナフは Hibiscus 属、オクラとトロロアオイはAbelmoschus 属であって属が違うわけであるが、昔は Hibiscus 属に分類されていたので、学名が混乱しているのかもしれない。

 ここに掲載したものは言われているほど大きく生長していない。校庭の片隅ではこの程度の生長なのかもしれない。背の高いオクラ程度である。幹は木質であり、木材やパルプとしての利用が可能であるという。ケナフは脚光を浴びたが、数年で見ることもなくなってしまった。元々、夢の植物などはあり得ないので、急激な生長を示すためにはそれなりの栄養分が必要なはずで、思ったほどではなかったのであろう。
校庭に植栽されたケナフケナフの花
ケナフの葉
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