トベラ Pittosporum tobira (Thunb. ex Murray) Aiton (トベラ科 トベラ属)
  トベラは本州の岩手県以南から台湾にまでの海岸に分布する常緑低木で樹高数mになる。海岸の崖地などに生育するが、乾燥に強いことから庭園や公園、道路の緑化帯などに広く植栽されており、内陸の森林中にも稚樹がみられることもある。新葉は美しいが、さび病に冒されやすく、古い葉は黒くすすけてしまいがちである。潮風の当たらぬ場所では、葉の病気が発生しやすいのかもしれない。葉は互生であるが、枝の先端に集まるので輪生のように見える。基部が次第に細くなる狭卵形で、鋸歯はない。雌雄異株であり、4月から6月にかけて白色から淡黄色の花を咲かせる。果実は秋に熟し、3つに割れて中から赤い粘液に包まれた種子がのぞく。和名の由来は、樹木全体に悪臭があり、とびらに刺して魔よけにしたことからという。


種名一覧にもどる / 科名一覧にもどる / 雑学目次にもどる / HPにもどる