オオゴカヨウオウレン Coptis ramosa (Makino) Tamura
 オオゴカヨウオウレンの花は白色で、一株に1〜3個程度咲かせる。果実は袋果であり、薄い膜の中に種子がつまっている。花が終わると、袋果が輪状に広がる。袋果は比較的時間がかからず、短期間で熟するようである。

 「屋久島は一ヶ月に35日雨が降る」と言われるほど非常に雨が多く、湿潤な気候である。十分な水のある環境は、コケの世界を作り出しており、屋久島の林床は一面コケに覆われている景色が普通であり、正にもののけ姫の世界が広がっている。コケに覆われた岩や倒木は、樹木の芽生えや草本が生育しており、小さな植物が生育する十分な基盤となっている。降水と雲霧が多いとはいえ、晴天の続く日々もある。その時はコケがスポンジとなって蓄えている水に頼って次の雨を待ち、持ちこたえるのであろう。温暖少雨で乾燥する瀬戸内気候の岡山県南部では考えられない世界である。
文章・画像:太田 謙
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