ナツメ Zizyphus jujuba var. inermis (クロウメモドキ科 ナツメ属) |
ナツメは中国北部原産の落葉小高木。日本では、時折庭木として植栽されており、品種改良されて棘がない。葉は互生し、光沢があって厚く、落葉樹とは思えない。両面無毛。6月に葉腋に緑色の小さな花をつける。5枚の萼片が開いて星型になり、その間からスプーン状の小さな花弁が出る。その大きさは雄しべの影に隠れてしまうほどである。花床の中央には円錐形の雌しべがあり、柱頭は2つに分かれている。クロウメモドキ科の花は完全に開かないものが多いので内部構造がわかりにくいが、このようになっているのであろう。果実は秋に黄褐色に熟し、長さ2〜3cm。枝が垂れ下がって、重そうである。果実は薬用や食用に利用されるが、食べたいほどおいしいものではない。和名は「夏芽」であり、芽だしが遅いことによるというが、名前ほどは遅くない。 |