アズキナシ Sorbus alnifolia (バラ科 ナナカマド属) |
アズキナシは北海道から九州に分布する落葉の高木。中国大陸にも分布する。温度的には、ブナ帯の下部から低山帯まで広く生育する。高木といってもあまり高くはならないので、コナラやアベマキなどの優占群落を形成する樹種とは競合できず、何らかの攪乱があったような場所に生育することが多い。
春に白い花を咲かせ、秋には赤い小さなアズキほどの果実を付ける。アズキナシの特徴は、葉に規則正しい波状の構造があることである。葉には10〜13対の明瞭な側脈があり、側脈が葉の裏側に突出している。アズキナシは「はかりのめ」という別名を持っている。等間隔の側脈が、物差しの目盛りをイメージさせるからであろう。このような波板状の構造は、特に葉が十分堅くなっていない時期には、葉の形を保つためには有効なものであろう。葉の縁は重鋸歯となっている。 |