ビワ  Eriobotrya japonica Lindl.  (バラ科 ビワ属
 ビワは西日本の石灰岩地帯に自生するとの意見があったが、中国から渡来したものであるとの見解が正しいであろう。本州西部・四国・九州の石灰岩地域の崖などに自生状態のものが見られるほか、瀬戸内海の島嶼部などでは果樹として栽培されていたものが野生化しているものが多数見られる。カラスなどの大型鳥類による種子散布が大きく貢献しているのであろう。乾燥にも強く、急傾斜地に多い。
 ビワの花は11月の終わり頃から咲き始め、12月に盛りとなる。果実は6月頃に稔り、初夏の果物である。秋から初夏までの比較的気温の低い時期においても活躍できる、常緑樹の利点を十分に活かしている。ビワの花はゴワゴワとした質感があり、サクラの花とは違いが大きいように思われるが、じっくりと眺めると5弁の花びらや中心部に多くの雄しべがある点など、サクラの花との共通点がある。果樹としては品種改良があまり進んでおらず、中に大きな種が入っていて見かけほどは食べる部分がない。この大きな種子で、崖地などの厳しい環境にも定着できるわけである。 
花を咲かせたビワビワの花
6月のはじめには果実が稔るビワの果実

1.ビワ 2.
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