カスミザクラ Prunus verecunda  (バラ科 サクラ属
 ヤマザクラが終わる頃、ソメイヨシノが満開となり、そしてカスミザクラの時期となる。今年(2013年)は少し早く、小生の住む赤磐市では4月の中ごろが満開となった。コナラなどの新芽も伸び始めて萌黄色の山の中で点々とカスミザクラの花が見える。春霞の中で花が咲いているので、カスミザクラと名前が付いたのであろうか、と思う。山の中を歩いて見ると、枯れかかったカスミザクラをよく見る。周辺で高く生長するコナラやアベマキに負けてしまうようである。現在咲いている場所は、マツガレが頻発しているものの、アカマツが生残しているような立地である。

 さて、今年はNHKのローカルニュースで、花の色が白から赤に変わる、カスミザクラと思われる山桜の報道があった。花の色が変化することは知っていたが、白から赤へと表現できるほどの変化かどうか、確認の必要があると思い至った。その気で探して見ると、結構花が散る間際に赤味が強くなるカスミザクラは結構多いことがわかった。
 咲き始めは白といってもよい状態。やがて、次第に中心部から赤味が強くなり始め、散る前はかなり赤いといってもよいほどの赤さになる個体もある。(画像ではわかり難いが)1日の違いで明らかに赤くなった!と感じることができるほど散る間際には赤くなる。出始める葉も赤いので花が赤いことには気づき難いが、結構美しい散り際である。
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