バルサムポプラ Populus balsamifera L. (ヤナギ科 ハコヤナギ属) |
カナダのバンフ国立公園の入り口、キャンモア(北緯51度、海抜1300m)で、いかにも生長の早そうな樹木に出会った。長い葉柄からポプラの仲間であることがわかる。ところどころに種子からではないと思われる、勢いのよいシュートが立ち上がっており、根発芽を行って撹乱地においていち早く再生しつつある様子に見えた。シュートの樹皮は淡緑色で、やがて灰白褐色に、成木では深く縦に裂け、コルク質の樹皮となっている。甘いよい香りがするらしいが、残念ながら気づかなかった。 開拓地や工事跡などの撹乱地域では、ハンノキ属やヤナギ科などの先駆樹種が侵入することが多いが、石灰岩地域ではハンノキ属は生育しにくく、ハコヤナギ属がパイオニアとして森林を形成することが多い。カナダでは石灰岩を含む堆積岩地域が広く、バルサムポプラやアメリカヤマナラシが農地の周辺、集落の周辺などに純群落に近い森を作っている。 |