アメリカヤマナラシ Populus tremuloides (ヤナギ科 ハコヤナギ属) |
ヤマナラシの仲間は長い葉柄を持っており、その断面は縦に長い楕円形となっている。このためにわずかな風でも葉は左右にヒラヒラト揺れる。その際にパタパタと音がするという意味の名前が「山鳴らし」、アメリカではダイレクトにヒラヒラヤマナラシという名前であることになる。さて、なぜヒラヒラしたがるのかについては、今後の課題ということにしておこう。 アメリカヤマナラシはカナダ、アメリカに分布し、通常10mから12m程度になる中高木の落葉広葉樹。根発芽を行う能力があるのもヤマナラシと同じ。このために密な群落を形成する。過湿な沼沢地以外ではどこでも生育し、土壌を選ばない。典型的なパイオニア植物であり、裸地化された場所や林野火災跡地などに迅速に生長する。短命であり、植生遷移にしたがって、やがて本来の樹木に変わってしまう。材は柔らかくて軽く、弱くて腐りやすい。箱や樽、木製の皿などに利用されてきた。材はビーバーがよく食べ、巣の材料とする。冬芽は鹿やライチョウの食べ物となる。 |