タコノアシ Penthorum chinense (ユキノシタ科 タコノアシ属
 タコノアシは本州から奄美大島、東アジアに広く分布する多年草。河原、沼沢地などに生育し、絶滅が危惧される植物に指定されている場合も多い。浅い地中に地下茎があり、やや株立ちとなって疎な群落を作る。草丈は1m弱となり、8月から10月にかけ、枝分かれしない茎の頂に特徴ある花序を形成する。葉は長さ6〜11cmで、若い植物体はセイタカアワダチソウに似ている。花序の枝は外巻きに巻いており、ユデダコのイメージは思いつきにくい。花は直径5mmほどで黄緑色。茎や花序は赤色を帯びる傾向があり、秋には赤色は一層強くなってめだつ。
 タコノアシがユキノシタ科・・・? にわかにはわかりにくい。ベンケイソウ科に分類されたこともあるそうで、タコノアシ科を提唱する学者もあるらしい。類似の植物のほとんどない植物のようである。


河原の追跡調査では、同じ場所に長期間にわたって生育することは少なく、新たな砂州に侵入して成長するが、他種との競合には弱いのであろう。沈砂池に群生した例もあるように、減少しているのは河川の安定化や沼沢地の減少などの生地の変質や減少が原因となっている。
 
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