ガンピ Diplomorpha sikokiana (ジンチョウゲ科 ガンピ属) |
ガンピは本州の静岡県以西、四国、九州の佐賀県までに分布する落葉の低木。高さは数mになる。アカマツ林の尾根や斜面上部などに生育する。ガンピはミツマタ、コウゾとともに和紙の原材料として使われるが、栽培は行われないようである。痩せ地に生育する性質そのものが栽培に適さないのではないかと思われる。 形成層よりも外側の繊維は強靱であり、刃物を使わずに枝を折り取るのは大変困難である。このような強靱な繊維から作られる和紙は雁皮紙として重用される。近年は森林の遷移に伴って森林が発達し、樹高が高くならないガンピは少なくなってしまった。昔はガンピの採取は年寄りの小遣い稼ぎであった。大きく生長したものの樹皮はサクラに似ている。 |