ムクノキ Aphananthe aspera (ニレ科 ムクノキ属) |
ムクノキは4月から5月に咲く。花弁がなく、雄花は5つの萼片と5つの雄しべからなり、雌花は筒形の萼片と雌しべからなる。目立たないことと、高い枝先に咲くのでまだ画像がない。果実は直径7〜12mmほどで結構大きく、秋に黒紫色に熟す。熟れたものは独特な味がするが、甘くて食べられる。子供の頃にはよく食べたもので、未熟なものはこめびつの中に入れておき、熟れた頃を見計らって食べたりした。鳥はこの甘い果実をよく好み、特にムクドリがよくやってくるという。ムクノキに飛来するのでムクドリと呼ばれるようになったとのこと。 果実の中には長さ8mmほどの種子が入っている。この種子の表面にもケイ酸が沈着しており、噛んでしまうと小石を噛んでしまったように堅い。この種皮は堅いもののあまり厚くはないが、割るためには結構力がいる。噛んで割れないことはないが、歯が削れてしまうのを覚悟する必要がある。葉のみならず、種子もケイ酸の装甲を帯びている。 樹皮は平滑であるが、成長するに従って次第に割れ目が入り、大木になるとはがれる。 |