ブタナ Hypochaeris radicata L. (キク科 エゾコウゾリナ属
 ブタナとは、かわいそうな名前を頂いたものである。名前の由来はフランス名の「ブタのサラダ」を訳したもの。ヨーロッパ原産の帰化植物であり、在来のタンポポの花が終わった頃から夏までの比較的長い期間、タンポポと間違うほどよく似た花を咲かせる。タンポポ属は1つの花茎に1つの頭花がつくが、ブタナは花茎が分岐して複数の頭花をつける。花を咲かせている時期は、この性質に着目すると容易に同定できる。
 花茎には葉が付かず、地表面に葉を円形に展開してロゼットを形成している。葉は地面に張り付く傾向が高いので草刈によっても残りやすく、すぐに再生して花を咲かせる。逆にいえば、春以降においても他の草本が生い茂らないほどの、荒地における生育に適応しているといえよう。荒地や造成法面などで繁茂していることが多い。
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