ホワイト・ティッスル Cirsium hookeranumキク科 アザミ属
 カナディアンロッキーの亜高山の草原に白い花のアザミが生育していた。茎がスックと立ち上がっており、50cmほどにも立ち上がって、競合植物が少々存在してもやっていけるに違いない。花茎には次々と花序を形成し、長い期間開花することができるのであろう。棘は鋭くて長い。棘が印象的で白い花を咲かせているアザミを見ていると、スイスで出会ったキルシウム・スピノシッシムム C. spinosissimum を思い出した。おそらく、近い類縁関係の種であるに違いない。C. spinosissimum は棘があるという形容詞の最上級を意味する種小名が付けられており、本当にすごい棘で痛かった。本種は非常によく似ているが、それほど棘は大きくなく(とは言っても痛い)、姿形も「寄ると刺すぞ!」との威嚇も強くはない。しかし、山道に沿った場所にしかないので、大型ほ乳類への対処を前提とした棘であることは間違いない。
 根はおいしいそうで、シカやクマなどが好んで食べるそうだ。そうであれば、実は人間のハイキングがホワイト・ティッスルを守っているのかもしれない。英語名のWhite Thistle は白いアザミの意味。
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