オタカラコウ Ligularia fischerii (キク科 メタカラコウ属) |
オタカラコウの花期は長く、7月の終わり頃から咲き始め、11月の霜の降りる直前までわずかではあるが咲いている。その結果、花茎は伸びて高さ2m近くになる。頭花には短い柄があり、上向きに咲く。舌状花はやや少なく、5〜9個で、1つの頭花だけをみるとやや貧弱。しかし群落を形成して大きな花序を形成するので、全体としては見ごたえのある花である。冠毛は長さ6〜10mmとのこと。しかし冠毛を広げて種子を散布している姿には出会った記憶がない。日本の野生植物(佐竹ほか、2000)では、東北地方と北海道には分布しないとのこと。樺太には生育するので、まだ東北には来ていないと解釈すべきであることが指摘されている。同属のハンカイソウと同様に、冠毛を持つ種子を生産するものの、散布距離が短いのであろう。遠方に散布されても生育可能な湿地という立地が非常に少ないためにあまり遠距離には散布されないのかもしれない。そのように見てくると、どこの湿地にもオタカラコウが生育しているわけではない。 |