セイタカアワダチソウ  Solidago altissima L. (キク科 アキノキリンソウ属
 セイタカアワダチソウは北アメリカ原産の帰化植物である。もともとは観賞用に導入されたとの説もあるが、急速に広がったのは大二次世界大戦後。蜜源植物として優秀であるので養蜂業者が積極的に種子を散布したとの話もある。和名の由来は、同じ属のアキノキリンソウの別名であるアワダチソウよりも草丈が高いことによる。
 多年生草本であり、地下部からアレロパシー物質を分泌し、種子発芽を抑制する。このために純群落を形成して繁茂することになりやすい。空き地や放棄畑などに繁茂して大群落を形成することや、花粉アレルギーの元凶であるなどの濡れ衣を着せられたこともあって、嫌われる植物のひとつになってしまった。蜜源植物であることでもわかるように、セイタカアワダチソウは花粉をミツバチなどの昆虫によって媒介させる植物であり、花粉を風に乗せてばらまく植物(風媒花)ではない。
 場所や環境が異なれば、この花への印象も全く異なるようで、風光明媚な観光地で調査をしていると「この美しい花の名前を教えてください」などと聞かれることもあり、苦笑してしまう。花粉アレルギーの元凶でないのならば、このセイタカアワダチソウへの対応が改められても良いのであるが、いったん広がった風評はなかなか改められていない。旺盛な成長力を利用し、法面の緑化などへの利用なども検討されたが、イメージが悪いので実施には移されていない。しかしながら、現実の法面では表土の流出防止には貢献しているとも言えよう。
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