タカサブロウ Eclipta prostrata キク科 タカサブロウ属
 タカサブロウは世界の暖帯から熱帯に広く分布し、日本では北海道を除く本州以南に生育する一年生草本。田圃や畦、水路壁などに生育しており、いわゆる水田雑草の一つである。名前の由来は不明だそうである。姿かたちからはキクの仲間とは思いつきにくいが、夏から秋にかけ、次々と白いキクの花を咲かせる。果実(痩果)もキクの仲間とはイメージが違うが、種を取る頃のヒマワリと思えば似ていなくも無い。種子は褐色に熟し、水で散布される。
 日本に古くから生育しているタカサブロウのほかに、乾燥した荒地にも生育するアメリカタカサブロウがある。在来のタカサブロウは直立する傾向があり、アメリカタカサブロウは地きわで枝分かれし、節から根を出して広がる傾向があるが、この違いは明瞭ではない。
 アメリカタカサブロウは第二次世界大戦後に日本に渡来した帰化植物であるが、タカサブロウも稲作の渡来に合わせて、ついてきた史前帰化植物ではないかと思う。そうであれば、稲作の流布にともなって世界中に分布を広げ、西回りと東回りで、久々に日本で出会ったのかもしれないと考えたりする。
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