ヨモギ Artemisia indica var. maximowiczii (キク科 ヨモギ属)
ヨモギは畦や草地に普通な多年生草本。群生して地下茎で増殖する。春の若葉は餅と混ぜてヨモギ餅を作る。葉は羽状に分裂してキク科植物の特徴を良く示している。茎や葉の裏には密に絹毛があり、白い。この毛を集めて「もぐさ」を作る。このほかヨモギ酒やヨモギ風呂、せんじ薬など民間薬として使われてきたようである。ヨモギという名称は、「よく燃える草」という意味であるとの説もあるが、よくわからないらしい。確かに乾燥した葉は毛がたくさんあるので火付きがよく,大昔は木をこすり合わせて火種をおこすのに使ったのかもしれないと想像している。
夏から秋にかけ、ヨモギは花序を出して目立たない花を咲かせる。頭花は少数の筒状花のみから構成され、舌状花はない。色は紫褐色で、咲いたとは思えない。頭花の幅は1.5mm、長さ3.5mm。
ヨモギはセイタカアワダチソウと同様にアレロパシーを発生させる能力を持っている。地下茎などから他の植物の発芽を抑制する物質を分泌する。自らの種子も発芽が抑制されるが、ヨモギは地下茎で繁殖するので,特に問題はない。密生して生育する理由は,ここにあるのであろうか。
ヨモギは緑化にも郷土種として、よく利用される植物である。郷土種ではあるが、種子の供給地は日本産はごくわずかであり,多くは朝鮮半島から中国であるとのこと。どうりで顔つきの違うヨモギが種子吹き付けで緑化された法面に生育しているわけである。これでも郷土種による緑化であるといえるのであろうか・・・・?