シラタマノキ Gaultheria pyroloides (ツツジ科 シラタマノキ属
  北海道の樽前山に登ってきた。植生学会のエクスカーションが開催されたので、申し込みはしていなかったものの、自主的参加というわけである。事前調査していなかったので、どのような山かまったく予備知識がなかったが、海抜1000m程度の低山にもかかわらず、高木が生育しておらず、いわゆる偽高山の様相を呈していた。登るにつれ、高山植物の構成種が増加し、高山植生であるといってもよい状態となっていた。

 中でもシラタマノキは競合する高山植物が少ないためか、白い果実をたわわに稔らせ、見事であった。高山での調査活動の経験はそれほど豊富ではないが、これほどのシラタマノキの群生とたくさんの果実を稔らせた景観には、はじめて出会った。白い果実は1つも食べられた様子がない。9月の13日なので、まだ熟していないのかもしれないと思って口に含んでみた。ほのかに甘い。その直後にサロメチール臭がグッとくる。このサロメチール臭が食べられない原因か? サロメチールが好きな動物はいるのであろうか? その動物が樽前山には居ないのか? あまりにもたくさん稔っている状況を見て考えつつ下山した。
 樽前山は現在もガスを放出している活火山であり、歩いていても温泉臭い。シラタマノキは、火山ガスに抵抗力が高いのではないか。その力がサロメチール?(これは眉唾である)。
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