ムラサキセンブリ Swertia pseudochinensis (リンドウ科 センブリ属
 ムラサキセンブリのは花は9月頃から10月にかけて咲き、淡い紫色で、色には白色に近いものから紫色が濃いものまで変異がある。花冠は深く5裂し、合弁花とは思いにくい。1〜1.5cmで大きくはないが、高原の秋を彩る美しい花である。つぼみはふっくらとして大きく、センブリに比べて幅がある。花が開き始めると、まず葯が成熟して花粉を散布し、この段階では中心にあるめしべの柱頭は開いていない。その後成熟しておしべは開いて柱頭から離れると、濃紫色の花柱の先端部分から、唇を開くように柱頭が出てきて受粉の体制が整う。自家受粉を防ぐ仕組みであり、雄性先熟という。花冠の下部には蜜腺溝があるとのことであるが、確認できなかった。その周辺にある毛によって隠れているのであろう。
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