センブリ Swertia japonicum (リンドウ科 センブリ属
 センブリは北海道から本州・四国・九州、朝鮮・中国に分布する越年生の1年草。粘土質の痩せ地草原、路傍などに生育する。草丈は20cmほどになるが、ここに掲載したものは広島県の深入山の草原に生育していたもので、通常見るものに比べてかなり小型であった。競合相手の少ない立地に生育する。茎は紫色を帯び、茎葉は小さくて細く、長さ5〜11mm。秋に薄紫の線がある白い花を咲かせる。花冠は5深裂し、直径12〜15mm。
 センブリは強い苦味があり、胃の働きを活発にするので、健胃薬として利用されることは有名である。一方、古い時代にはノミやシラミを殺す殺虫剤として使用されていたという。センブリの苦さは、人間相手ではなく、虫に食べられないためのもののようである。
堅い粘土質土壌に生育していたセンブリセンブリ
センブリの花とつぼみセンブリの花

1.センブリ 2. 3.葉とロゼット

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