センブリ Swertia japonicum (リンドウ科 センブリ属) |
広島県の深入山を降りる山道で、千葉県立中央博物館の大野啓一さんにセンブリの芽生えがあると教えていただいた。教えていただかないと、これがセンブリの最初の姿であるとは気づかなかった。幅は1cmもないかと思えるような、小さな姿であった。葉には肉眼ではわかりにくいが網目模様がある。撮影は10月10日、雪が降るまで残された日数は多くはない。この状態に近い状態で雪に覆われ、春を迎えることになる。小さなロゼットを形成し、夏を迎えると茎を形成して花を咲かせる戦略は、競争相手の少なく、地表にまで十分な光が当たる立地でしか生育ができないことを示している。どこにでも生育しているという意見もあり、生育地は限られているという意見もある。一方、栽培は困難で、畑では栽培できないという。センブリが生育するためには、地表面に十分な光が当たるということ以外に、土壌などの環境要因が必要であることを示している。 |