クサトベラ Scaevola taccada (クサトベラ科 クサトベラ属)
 ワイキキの海岸に一見してトベラ!と思える低木が植栽されていた。トベラと生態的にもよく似た立地に生育しており、葉の形や湾曲している様子もそっくり。ただし、葉は柔らかく、しなやか。クサトベラである。高さは3mほどになり、茎は地面に接すると発根し、群落を広げる。葉の長さは7〜15cmで、基部は楔状で茎に繋がる。花は特徴的で、花冠は5つに深裂するが、上部は基部まで裂けて雌しべが外部に出ている。このような形に着目し、「半分の花 half-flower とか、扇子 hand fan と呼ばれている。クサトベラ科はキキョウ科に近い。そのように見ると、花の形はキキョウ科のサワギキョウミゾカクシ(アゼムシロ)にそっくりである。
 クサトベラは熱帯・亜熱帯の太平洋に広く分布し、日本では沖縄や小笠原の海岸に生育しているとのこと。ハワイでは海岸の生垣に多用されていた。
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