スギナモ Hippuris vulgaris L.   (スギナモ科 スギナモ属)
 下の画像は、湿地の中の小さな開放水面に発達したスギナモの群落である。水面からきれいな緑色のスギナモがいくつも立ち上がっている姿は印象的である。水上に茎を伸ばすのは、空気の交換を容易にするのが目的の一つだろうか(“気体の水に対する溶解度と水中の生物”を参照)。しかし、わざわざ水上用の茎と葉を作るので、水位変動の少ない環境でないと作る意義がないと思われる。
 湿地の開発や、水路の整備により生育地を減らしており、地域によっては絶滅が危惧されている。名前は杉菜藻であり、スギナ(つくし)に似た水中に生える藻であることによる。
文章・画像:太田 謙
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