ショウドシマレンギョウ Forsythia togashii (モクセイ科 レンギョウ属
 ショウドシマレンギョウは四国の香川県、小豆島にのみ生育する落葉の小低木。集塊岩に遺存した固有種である。高さは1〜2m程、イワシデやイブキシモツケと共に、集塊岩の崖地上で低木林を形成している。葉は対生して、全縁で鋸歯の目立たないものが多いが、若枝から開いた葉には不規則な鋸歯が多数ある。枝の断面を見るとはしご状の髄がある。開花時期はヤマトレンギョウよりも少し遅く、4月〜5月上旬、展葉と同時に開花する。

 画像は海抜700m以上の崖の上である。生憎の空模様であったが、下山したら雨が降っていたのは山頂付近だけであった。瀬戸内の海上を渡ってきた湿った空気が海抜800m近い小豆島の山並みを越えるとき、気温差のため、渓谷部には霧や小雨が発生しやすいのであろう。年間降水量1,100mm以下となる瀬戸内海の島々の中にあって、小豆島に比較的多くの植物種が生育している理由が、なんとなく解った気がした。

文章・画像:森定 伸
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