ショウドシマレンギョウ Forsythia togashii (モクセイ科 レンギョウ属
 ショウドシマレンギョウの生育する小豆島は瀬戸内海東部に位置しており、淡路島に続いて瀬戸内第2位の広さをもつ。下の画像は小豆島の表層地質図(香川県.1975)を、50mメッシュDEM(国土地理院.1998)から作成した立体像に重ね合わせたものである。図中の赤色部が花崗岩類を、緑色や暗い黄緑色部が集塊岩や安山岩などの火砕岩類、溶岩類が分布する地域を示している。

 火砕岩類や溶岩類は、今より1,000年以上前に起きた大規模な火山活動の際に噴出して、花崗岩類の上を厚く覆ったもので、山の頂きをまるで帽子をかぶったように分布している(別名:キャップロック)。花崗岩類に比べて堅く緻密なこれらの地層は、より侵蝕されにくいため、長い年月が経過した現在、平らな峰と急峻な斜面の連なる、独特の地形を作り出している。これの大規模なものが寒霞渓であり、中四国地方では有名な渓谷の一つである(付近には『東洋のグランドキャニオン』などと書かれた古ぼけた看板が有ったりする)。

 小豆島にはこの独特の地質・地形を反映してか、ショウドシマレンギョウのほかにも、チョウジガマズミやイワシデ、ビロードシダ、イワデンダなどの石灰岩地域で見かける種や、イワギリソウ、セッコク、ツメレンゲなど崖地に生育する種等々、一風変わった植物を多数目にすることが出来る。春の新緑も美しいが、秋の紅葉もまた趣があり、一度足を運んで見てはいかがでしょうか?。


文章・画像:森定 伸
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