サクラソウ Primula sieboldii E.Moor. (サクラソウ科 サクラソウ属) |
サクラソウは北海道・本州・四国九州、極東アジアに分布し、湿った場所を好む多年草で、川岸の草地や、山間の落葉樹林下などに生育する。早春に葉を展開し、春に開花・結実し、初夏には種子を散布し地上部が枯れる生活史であり、落葉広葉樹林など春の陽光を最大限に活用することに適したライフサイクルであると考えられる。植物体は全体に毛が多く、高さは20cm程度で、葉は2-6枚を根生し、春に花茎を1本立て、先に3-10個の花を散形につける。 サクラソウは数多くの栽培品種が知られ、数百種類があるとされる。サクラソウの仲間は花が美しく好まれるため、多数の園芸品があり、プリムラや西洋桜草などの名で多くが知られ、どこの花屋に行っても見かけることができるほどである。「桜草」の名は、花の形がサクラに似ていることによる。 河川改修や宅地造成で生育地が失われ、さらに花を目的に採取されたことから、全国的に個体数を減らしている。RDB:絶滅危惧II類(VU)。 |
文章・画像:太田 謙 |