クチナシ Gardenia jasminoides (アカネ科 クチナシ属) |
クチナシは静岡県以西の暖地に生育する常緑の低木。東アジアに広く分布する。沿岸域に多く、明るいマツ林の尾根筋などのやや乾燥した場所に生育していることが多い。葉は厚くて光沢があり、初夏によい香りの花を咲かせる。学名の種小名である jasminoides は「ジャスミンのような」という意味である。合弁花であり、筒状の花の先端は5〜7に分かれるが、6つに分かれるものが多い。雌しべの柱頭は大きく、花の中央に混紡状に突出している。雄しべは開いて花弁の間に位置している。果実は朱色に熟し、開く口がないのでクチナシという。果実は黄色の染料に使用し、栗きんとんに混ぜると色鮮やかになる。乾燥に強く、花も美しいので庭園や路側帯などによく植栽される。 |