カリガネソウ Caryopteris divaricata (クマツヅラ科 カリガネソウ属
 カリガネソウの花は独特の形状をしている。花冠は淡紫色で、長い筒の先が5裂し、下側の裂片だけが大きく伸びて、濃紫色の斑点がある。雄蕊と雌蘂は、花の中心から上側の裂片に沿うように大きく突き出て、まるで昆虫の触角のようにも見える。雄蕊より雌蘂の方が長く、4本の雄蕊にも長いものが2本、短いものが2本ある。この形はおそらく、吸蜜に訪れたハチなどの昆虫の背中に花粉を擦り付け、別の花の雌蘂に運んでもらうことを狙っているのだろう。撮影した日は小雨模様であり、しばらく待っても小型のハナアブぐらいしかやって来なかった。カリガネソウで吸蜜するハチの姿を見てみたいものである。
 雁(ガンなどの水鳥)が飛ぶ姿を、あまり間近で見たことがないが、どう見ても鳥の飛ぶ姿には見えない。やはり私には昆虫っぽく見える。
花の正面花の側面
多くのつぼみを花をつけた花序花冠の斑点模様
(文章・画像:森定 伸)
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