ショウブ Acrus calamus (サトイモ科 ショウブ属) |
ショウブは日本各地および東アジア、インド、マレーシア、シベリア、北アフリカにも分布する多年生の草本。浅い沼やため池の湖岸などに生育する。古いため池の泥のたまった場所が好きなようで、水位が大きく変動するため池では、小川が流入する場所に生育する。葉はキショウブやカキツバタなどと似ているが、葉の幅がより狭く、表面に光沢がある点と、特有の芳香があることで花が咲いていない時期でも容易に区別できる。 ショウブは漢字で書くと菖蒲であるが、語感からは勝負とも聞ける。葉の形が刀を連想させることもあり、縁起物として利用されてきた。端午の節句(5月5日:子供の日)に束ねて風呂に入れ、菖蒲湯にして入った経験のある若者は少なくなってしまった。独特の芳香があり、乾燥して衣類の虫よけにしたり、民間薬として利用されてきた。 5月頃に特有の形態をした花を付ける。花序はこの仲間特有の肉穂花序であり、花序が付いている部位までが茎である。花序よりも上に伸びているものは苞である。ショウブの苞は緑色で葉のようであるが、これが花を取り囲むように開いて白色になるとミズバショウやカラーのイメージになる。 |
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