キショウブ Iris pseudacorus (アヤメ科 アヤメ属
 キショウブはヨーロッパから西アジア原産の帰化植物。観賞用として持ち込まれたものと思われるが、日本の各地に野化している。強健で大形になり、高さ1.5mになる。ため池の湖岸や用水路、河川などに生育しており、春の終わりから初夏にかけて次々と花を咲かせる。もっと繁茂するかとおもっていたが、用水路の三方コンクリート化が原因であろうか、やや少なくなってきたようにも思う。

 花菖蒲園などでも植栽されていることがあり、花は美しい。3枚の大きくて垂れ下がっているのが外花被片であり、その上にかぶさるような位置にあるものが雌しべの柱頭。内花被片は外花被片の間から出ている小さな3枚がそれに当たる。

 英語名はWater flag, Yellow flag flagは旗の意味もあるが、セキショウショウブなどのような、海軍で使う細長い三角形の旗状の単子葉植物の葉を意味するのだそうだ。そういえば、帆船の最も高いマストの先端にこのような旗があったかもしれないと思える。
キショウブ
キショウブの花;大きな外花被片上から見たキショウブの花;小さな3枚の内花被片
黄色いめしべを押し上げるとその下におしべがキショウブの株元
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