コウボウシバ Carex pumila Thunb. ex Murray (カヤツリグサ科 スゲ属) |
コウボウシバは東アジアからオーストラリアに広く分布し、海岸の砂地に普通な多年草。太い地下茎を伸ばし、丈の低い茎と革質の葉を出す。花期は本格的に暑くなる前の春から初夏。茎頂に雄小穂、葉腋に雌小穂を数個付け、小穂は夏に茶褐色に熟する。弘法芝の名は、同じく砂浜に生育するコウボウムギより実が小さいことによる。 コウボウシバは砂浜の少し奥まった所や、小丘によく見かける。砂浜は常に砂の移動があり、不安定な立地である。コウボウシバは地下茎を伸ばし、一部が砂に埋もれたり地上にさらされても耐えられるようにしているのだろう。また、地下茎は水分や養分の貯蔵庫の役割も持っているのかもしれない。 |
文章・画像:太田 謙 |