ミヤマカンスゲ Carex multifolia (カヤツリグサ科 スゲ属
 ミヤマカンスゲは北海道・本州・九州に分布する多年草。暖温帯上部から冷温帯にかけての落葉広葉樹林下・林縁に生育する。岡山県では、吉備高原の落葉広葉樹林中から脊梁山地のブナ林に生育する。匍匐茎はないので大きな株を作って生育する。葉の幅は比較的幅広く、林床に生育するスゲとしては、株を作ることもあって目立つスゲの1つである。葉の幅は5〜7mmで、断面はゆるやかなM字型であって、オクノカンスゲのような明瞭なM字型にくらべて丸みがある。葉の断面は、標本にするとわかりにくくなるので、小穂が付いていない時期では、生育時の観察が大切である。株の基部は鮮やかな赤紫色であり、オクノカンスゲやカンスゲとのよい区別点である。

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