ナキリスゲ Carex lenta (カヤツリグサ科 スゲ属) |
ナキリスゲは本州関東以西から朝鮮・中国・インド・インドネシアに分布する常緑の多年草。暖地の森林林床に生育する。岡山県の沿岸域では古生層地域の傾斜地に多い。スゲ属の植物は似たものが多く、同定が困難である種が多いが、ナキリスゲは次の点で比較的同定しやすい。スゲ属植物の多くは春に開花するが、ナキリスゲは8月から10月にかけて開花・結実する。森林の中、夏以降に花穂が付いているスゲを見つけたら、ナキリスゲを第一候補にあげてみよう。秋遅くなっても、花穂の跡が残っていれば、同様である。花穂を見ると、雌小穂群の先端に飛び出した形で雄小穂群がある。 |