ノグサ Schoenus apogon (カヤツリグサ科 ノグサ属)



 ノグサは本州から沖縄、インドネシア・オーストラリアに分布する1年草。世界にはノグサ属の植物は80種程あるらしいが、日本には本種しか分布していない。ネットで検索してみると、ノグサは絶滅危惧種に関する記載がのきなみヒットしてくる。少ない植物ではあるが、湿原の周辺などに時折出てくる種であり、小生にとってはなじみのある植物である。
 ノグサは湿原周辺の、湿原としてはやや乾燥した日当たりの良い裸地によく生育している。湿原の周辺に道を付けたりすると、芽生えてくることもある。初夏に濃紫色の花を咲かせる。同定のポイントとしては、抜いてみると茎が鮮やかな赤紫色を帯びた部分があることで、花茎の一部も同様な色を帯びる。美しい植物ではないので、採られることはないが、生育地が安定するとやがて消滅してしまう。湿原周辺の不安定な立地が少ないことが、絶滅を危惧させることになっている。このような攪乱が生育地を作り出すような植物の保護・保全は容易ではない。
道ばたに生育するノグサノグサの花
ノグサの花(拡大)ノグサの茎基部(鮮やかな赤が特徴)
1.ノグサ 2.ノグサの生育地

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