コチヂミザサ Oplismenus undulatifolious var. japonicus (イネ科 チヂミザサ属) |
コチジミザサは北海道から九州、朝鮮から中国に分布する一年草。やや湿った林縁や明るい森林中に生育する。ケチヂミザサに似ているが、全体に毛が少なく、端整な印象がある。葉は長毛がなく、短毛が密生してビロード感覚があるが、毛があるようには見えない。葉鞘は縁に毛がある程度。花は8月頃から咲き始め、茎の頂に8cm前後の花序を出し、ケチヂミザサに比べて少ない数の小穂をつける。花序の軸はほとんど無毛。小穂には長い芒があり、稔ると粘液を分泌して動物の体や衣服に付着して種子が散布される動物散布である。→「引っ付き虫」 ケチチミザサとコチジミザサは変種の関係にあるとされている。別種か変種かにはあまり興味がないが、両者の違いには興味がある。単にチヂミザサと書けば、このコチヂミザサを指すが、岡山県に分布していないわけではないが、小生にとってはあまり遭遇のチャンスがない。普通に山を歩けば旺盛に繁茂するかわいげのないケチヂミザサばかり。しっとりと湿った崖を覆うコチヂミザサに出会うと、さすが京都のチヂミザサは色気があると見えてしまう。 |
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