クサヨシ Phalaris arundinacea (イネ科 クサヨシ属)
クサヨシは冬季にも緑葉を地面付近に広げ、夏草が枯れてしまった河原の中で光を浴びて生育している。5月には花茎を出して2m位にまでなるが、やがて細い茎は梅雨の増水によってなぎ倒されてしまう。これも予定の事であり、なぎ倒された茎の節の部分からは新しい芽が形成され、結果的には群落を拡大してしまう。2枚目の画像は、倒れた茎から新たな芽が再生されている様子である。
クサヨシは地下茎や種子でも繁殖するが、洪水で倒れた茎から再生することによって、確実な繁茂が可能である。洪水の際には土砂が運ばれてくるので、茎が泥に埋まってしまえば、再生の条件としては最高であろう。河川に生育する植物は、このような増水に対する何らかの戦略を持っている。