クサヨシ Phalaris arundinacea (イネ科 クサヨシ属)
クサヨシは九州以北の日本各地に生育する多年生の草本。北半球の温帯に広く分布する。小川や大河川の通常は流れの緩やかな場所に生育する。細い地下茎で広がって群落を形成する。したがって、生育する場所の土壌は泥や砂質であることが必要である。大きな礫が含まれていても、その間は必ず砂や粘土である。小河川では純群落を形成して繁茂するが、大河川ではヨシやオギなどの群落に混生することが多い。冬にも緑葉を地表面に展開しており、ヨシやオギが成長して地表を覆ってしまう前に成長し、花を咲かせる。同じ場所を季節的に住み分けて使っているといえよう。
初夏に花を咲かせると、高さは2m近くなる。花穂は最初は円柱状、やがて広がって散開するが、稔ると再び円柱状になる。下の写真は円柱状になった状態である。
クサヨシの名前は、ヨシと同じような場所に生育するが、より細くて柔らかいという意味であろう。葉は乾燥させると甘い香りがあり、味も甘くなる。