キバナノアマナ Gagea lutea (ユリ科 キバナノアマナ属
 キバナノアマナは山野に生育する多年草。北海道・本州中部以北に分布し、千島・樺太・朝鮮・中国・シベリア東部・ヨーロッパに広く分布する。本州西部と四国には少ないとされている。岡山県では県中部を中心に生育がみられるが少なく、沿岸部には分布しない。
 地下に10〜15mmほどの鱗茎(球根)があり、早春に葉と同時に花茎を出す。根出葉は線形で厚ぼったく、柔らかい。幅は5〜7mm、長さは15〜30cmとのことであるが、画像の撮影時点では10cm程度であった。3月の終わり頃から5月にかけ、花茎の先端に数個〜10個の花を咲かせる。花は開花直後は黄緑で、やがて黄色になる。花披片は長さ12〜15mm。
 キバナノアマナを撮影した場所は、アズマイチゲ群生地であり、明るい栗園の林床であった。栗園では、落下したクリを拾いやすくするために秋に草刈りを行う。草刈りが行われていない草原では、枯れ草が厚く堆積してキバナノアマナやアズマイチゲなどの小さな植物は、これを貫いて葉を展開しにくい。夏の終わりに草刈りが行われる栗園ならではの早春植物の生育である。
キバナノアマナ:雄しべは6本キバナノアマナの花
根生葉は幅6mm程度で柔らかい


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