アズマイチゲ Anemone raddeana (キンポウゲ科 イチリンソウ属
 来訪したアズマイチゲの群生地は岡山県英田郡英田町、海抜100mを少し上回る程度の山裾であった。来訪したのは卒業式の翌日、3月21日である。残念ながら曇天であり、全開とはならなかったが、それでもお昼には開いた花を堪能させてくれた。生育地は地元の「河内の山草会」により整備されており、順路が縄張りされて不用意な立ち入りが防止されている。アズマイチゲの他、セツブンソウ やニリンソウキバナノアマナなどが生育しており、多様な春の妖精達が季節を変えて花を咲かしているとのこと。
 これらの植物が生育している場所は北斜面の明るい栗園であり、下刈り・除草がなされている点も、アズマイチゲの生育を助けている。地質的には山全体は流紋岩であるが、山裾には中・古生代の堆積岩(泥岩)が帯状に分布しているものとなっている。地質図が正しいとすると、右下画像の植林地から下が堆積岩であると思われる。アズマイチゲが群生しているのは上部斜面から泥岩の礫が持続的に供給されている急傾斜地であり、傾斜が緩くなるとアズマイチゲは少なくなり、セツブンソウが目立つようになる。このような生育地の状況:堆積岩地・北斜面・栗園はセツブンソウの生育環境と大変共通性が高い。
泥岩の礫が供給される急傾斜地に群生するアズマイチゲ
整備されたアズマイチゲの群生地(栗園)竹林と植林の間がアズマイチゲの群生する栗園

1.アズマイチゲ 2.花です。 3.群生地


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